500頁以上の長編なんだけど、物凄い勢いで読めちゃった位面白い。
仕事とか何も無ければ一日で読破してただろう。

2部構成で、1部は舞台が東京中野、2部は沖縄西表島。
もしかしたら文庫化する時上下巻になるかもしれないな。
そしたら片方だけ読んでも面白いし“下巻だけじゃちんぷんかんぷん”って事も無いくらい1部と2部は話しが違う。

小学校6年生の男子・二郎君が主人公。

中野編では働かない上に問題ばっかり起こす(でも間違った事をしているわけじゃない)お父さんとの問題と、1歳しか違わない中学生とは思えないほど悪質な不良中学生との戦いの話。

こんなお父さんだったら本当に子供は参っちゃうよって同情しちゃうほど。
二郎の友達関係はいいなぁ。
子供の頃男子の友情って羨ましいって思ってたな。
女子って私には合わなかったから。

不良の虐めにも立ち向かっていく姿がまた良い。
重松清の書く少年たちは虐めに耐え忍んでるコが多いけど、それも切なくて好きだけど。
私は攻撃型だからサウスバウンドの少年達の方が好みかな。

西表島編はがらっと変わって、お父さんがカッコイイ。
もちろん問題児、もとい問題父ではあるんだけどね。

自分の親だったら本当困っちゃうだろうな。
父も、母さえも実は学生運動をしていた過激派。
でも、私が西表島の二郎の友達だったら、『二郎君のお父さんとお母さんカッコイイ!』ってファンになるな。

島のリゾート開発の反対運動に巻き込まれて行くんだけど、悪役土建屋だけじゃなく、環境保護運動をする市民運動家を無視するのも良い。
所詮偽善者だと私も思う。(もちろん全ての市民運動がそうとは言わないが)

ノンフィクションにありがちなリゾート開発中止、なんて都合の良いラストじゃないのも良い。

久々大興奮のうちに読み終えた。
すごく気持ちが良い読後。

コメント