ISBN:448842502X 文庫 貫井 徳郎 東京創元社 2003/01 ¥672

この人のヒット作『慟哭』も以前読んだ。
確かに面白かったけど、釈然としないものがあった。
なんか辻褄が合わないんだよね。
そこに若さを感じたんだけど、みんな大絶賛だったのがものすごく不思議だったのを覚えてる。

で、今回たまたま読んだのがコレ。
結論から言うと大不満。

犯人は読者が推理しなさい、というもの。
でも推理しようがなくない?

4章からなり、それぞれの章の主人公みたいなのが一人称で犯人を推理して行く。
一章で犯人と推理された人物が、次の章の主役として、犯人探しをする。
よって、その人物は犯人じゃない、でしょ?

で最終章で犯人と推理されるのが、1章の人物。

まぁ、4人は違うとして、それに絡む人物と推理するんだろうが。
推理モノ好きはね。
でも決定打が無い。

何でもありミステリー。

それって結末が思いつかなかったんじゃん?

『そこを推理するのが面白いんじゃん』
この手のが好きな人からしたら、そう言うんだろうな。

結局犯人はただの通り魔でした、なんて事もあったりするんでしょ?
途中が面白いのであって、結果はどうでも良い。

でもこの後読感の悪さ。
『で、真相は? ・・・・・全然見えないじゃん』
引っ張っといてバチンと終わるのなんて、素晴らしい作家だなんて褒め称えるに値するんだろうか?
ちょっと書ける人ならだれでも出来るんじゃ?

芝居でもそうなんだけど、広げるだけ広げて、収拾が出来なくなっちゃう作家って多い。

『ここまで引っ張っておいて、これでおしまい? 
 面白かったけど・・・で?』

うーん、人気作家なのがわからない。

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