ピンポーン。
キャベツと奮闘中に インターホンが鳴った。
宅配便? 新聞勧誘?

『 近くでレストランをやってるんですが、
  美味しいので来て下さいって ご案内です。
  お願いします 』

お願いします って・・・?
開けろって事?
だって今 キャベツと奮闘中だし。

『 手が放せないので、ごめんなさい 』
『 そうですか、わかりました 』

って あんた 店の名前とか 言ってったら?
あ、 チラシかなんか 入れてくのね。

でも 上に上がって行く足音もしない。
インターホンの音もしない。
うちだけなの?
普通 こんな小さな団地だし ぜんぶ回らない?

ちょっと 不気味。

キャベツは上手くはがれて、肉をグルッと巻けました。

        ★

旦那が帰宅。
ポストに 何か入ってなかった?

『 集合ポストも ドアポストも なにもないよ。 なんで?  』

実はね と 若い男の子(声の感じ)の事を話す。

『 おかしいよ。
  店の名前も名乗らず
  チラシも入れていかず
  1階のうちだけで 上に行った気配もない 』

そうだよねぇ。
キャベツくんと 奮闘していて よかった。
でなけりゃ “レストラン” の言葉に魅かれて開けてたよ。

        ★

本当に ブキッチョな レストランの宣伝 だったのかもしれない。
でも 物騒な今 用心してなかなか開けないよね。

この部屋は 一番奥の角部屋。
101,102号室は 向かい合わせに玄関だけど、ここは単独。
上の家が留守なら 押し込まれても・・・。
思い出せば 思い出すほど やっぱり 怪しい気がする。

私が子供の頃は 玄関の鍵なんかかけず、みんな “こんにちは〜” って入ってきたのに。
イヤだねぇ。


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