10年前の思い出。

2003年4月9日
今日は平和。(喜)
でも相変わらずおしゃべりさんで、ちょっとうるさい。(苦笑)


      ☆ ☆ ☆


10年ほど前、だ〜い好きな人がいた。
その人の事を残しておこうと思う。

        ☆

二人で広い緑地公園を散策していると、非常事態を訴えるような猫の鳴き声がした。

「どこから聞こえるんだろう?」

と、周りを見渡す。
1m以上ある深い用水路の縁に猫が座り込んで、下を覗きながら鳴いている。

なんと!
その下に子猫が落っこちていた!

幸い水は少なく、子猫は水のない所に後ろ足で立って上の猫に助けを求めている。
恐らく上の猫は母猫だろう。
でも、いくら母猫だってそんな所の子猫は助けられない。
私だって、下に降りたら上れそうにないコンクリートの壁だ。
周りには梯子も何もない。
可哀相だけどどうする事も出来ない様に、私には思えた。
ただの薄情者だ。

彼は違かった。

私が考えるより早く、ちょっと先の橋で向こう岸に渡る。
彼だってそんなに大きくない。
下に降りたらまず上がれないだろう。
彼は、這いつくばって下の子猫に手を差し伸べた。
突然の事でビックリして逃げた母猫も、すぐ近くで見守っている。

「見えないからどの辺か指示して!」

私は、右、も少し左、ってオロオロと指示する。

「あっ、それ!それ!」

子猫はビックリして逃げようとするが、彼がしっかり鷲掴み。
彼も危なく頭から落ちそうになりながら、なんとか生還。

濡れた子猫をハンカチで拭いてあげたら、まだ目も開いてなかった。
母猫は心配そうにじっと見ている。
野良猫は人間に近付けないから、そっと下に置いてやった。
反対岸に回るとやっと母猫は子猫の首をくわえて林の中に帰って行った。

        ☆

ほんの短い出来事。

掌に乗るほどの子猫を、ハンカチで優しく拭いてあげている彼の姿がものすごく印象的だった。

なんて素敵な人間だろう、と思った。


      ☆ ☆ ☆


彼は何処にいるんだろう?

「あっ!今月欲しいチョロQ3台も出るよぉ」

・・・・・・・・。

“彼”は何処に消えたんだろう・・・。(泣)

        ☆

旦那の変な家族の事。
日々の生活の事。
ちょっとは家事も手伝って欲しいけど、何も出来ないとこ。
そういうとこがキライ、って言っても変わらないとこ。

いくら好きでも、他人が一緒に暮らすって本当に大変だ。

“離婚だ!”ってすぐ思っちゃう。

そんな時思い出す。
私はこの時の彼だけは忘れられない。
大喧嘩しても、だい嫌いって思っても。
この思い出があるから、旦那と一緒に居られる。

旦那はこの“彼”に感謝しなきゃいけない。
“彼”が居なかったらとっくに別れてる。


        ☆

 私 「彼は何処行っちゃったのかなぁ?」

旦那 「もしもし?」

 私 「逢いたいなぁ」

旦那 「ここにいるじゃない」

 私 「どこ?どこ?」

・・・過去の“彼”は今も素敵なのに、現在の“彼”はなんでこんなんなっちゃったの?

旦那(“彼”)「君って酷すぎるぅぅ(泣)」


      ☆ ☆ ☆


嗚呼
あの頃が懐かし〜い!!!

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